遺言のご相談
遺言
遺言とは、ご自身の意思で、預貯金や土地・建物などの財産を誰にどのように分けるか決めておくものです。 残された家族が遺産をめぐって揉めることを防げます。
「私は財産があまりないから遺言なんて・・・」と思われるかもしれませんが、相続争いに財産の多寡は関係ありません。 また、遺言書があれば相続手続きに必要な書類が少なくて済むので、相続人の負担を軽くすることができます。
子供たちの仲が良くても、その配偶者や親戚が口を出し、相続争いになるかもしれません。
また争いにならなくても、誰が何をもらうかで疑心暗鬼になったり、互いに遠慮して気まずい思いをするかもしれません。
遺言のメリット
- 仲の良い家族が、遺産を巡ってお互い気を使ったり嫌な思いをしなくてすむ
- お世話になった方に財産をあげたい、葬儀やお墓について希望を伝えられる
- 高齢の妻や夫、気がかりな子供に、自宅や預貯金などの財産を確実に残せる
公正証書遺言(公証人役場で作成してもらう遺言書)
メリット
- 法律の専門家である公証人が作成するので、
内容や形式に不備があり無効になる心配がありません - 遺言者死亡後、家庭裁判所の検認手続を受ける必要がないので
スムーズに相続手続きを行えます - 公証役場に遺言書の原本が保管されるので、
他人によって内容を変造・破棄される心配がなく、紛失してしまうこともありません
デメリット
- 証人2名の立会が必要
- 公証人の手数料がかかる
必要な書類
- 遺言者の印鑑証明書
- 遺言者と相続人の関係が分かる戸籍謄本(相続人に財産を与える場合)
- 相続人以外の方に与える場合には、その方の住民票
- 相続させる財産に不動産が含まれる場合には、登記事項証明書及び固定資産評価証明書
- 証人の方の住民票
※遺言の内容により、必要な書類は異なります。
自筆証書遺言
メリット
- 紙とペンがあればいつでも作成できる
- 費用がかからない
- 内容を他人に知られない
- 気軽に内容を変更できる
デメリット
遺言書の検認
遺言書(公正証書遺言を除く。)があるときは、家庭裁判所で遺言の検認手続をする必要があります。 封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人が立ち会わなければ開封することができません。 検認は相続人に対し、遺言の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の状態や内容を調査して偽造・変造を防ぐ手続です。 遺言者の真意に基づく遺言であるか、遺言の効力の有無について判断するものではありません。
申立書等の提出先
亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。
申立て後の手続き
相続人全員に裁判所から検認期日の通知があります。期日に出席できない相続人がいても検認手続は行われます。
必要な書類
- 遺言者の出生から死亡までの戸籍、除籍、原戸籍の謄本
- 申立人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本 受遺者全員の戸籍謄本
※相続関係により、上記以外の書類が必要な場合もあります。
司法書士からのアドバイス
遺言は、ご自身が亡くなられた後、その財産をどのように配偶者や子ども、もしくは、それ以外の方に分け与えるかを、ご自身の意思で決めておくものです。 遺言がないと、ご自身の遺産は、法定相続人に法定相続分に従って相続されます。
- 子供がいないので財産を兄妹ではなくすべて妻に残したい
- 自分の死後、子供たちがもめないよう遺産の分け方を決めておきたい
- 家業を継ぐ子供に財産を継がせたい
- 相続人以外の世話になった人に財産を分けたい
- 音信不通の子供がいるので遺産の話し合いができるか心配
等の場合は、ご自身の意思を尊重するため、遺言書を作成されることをお勧めします。